
愛知県では奥三河を筆頭に、豊田市、瀬戸市でもツキノワグマが出没。平成27年は12件、平成28年は5件、平成29年は9件の目撃情報が寄せられました。
そして先ごろ昨年(平成30年)の集計が愛知県から発表されました。それによると目撃情報は計6件。エリア別では豊田市(旧下山村、旧足助町)で2件、東栄町2件、豊根村1件、瀬戸市(上山路町)1件でした。

時季は初夏(5〜6月)に集中しているものの、なんと冬眠しているはずの1月にも目撃情報があり関係者を驚かせています。
言うまでもなくこの数字はあくまでも目撃情報であり、上記のエリア以外にクマが棲息していないということではありませんのでご注意を。
愛知県内でクマ目撃情報が届いていないトレランコースは犬山周辺の山々、春日井の弥勒・道樹ラインあたりですが、数年ぶりに瀬戸で目撃されたということは、これら尾張の山々にも進出してくる可能性があります。すでに潜んでいるのかも・・・。
いずれにしても、トレランなどで山に入る際、万が一のために何かしらの心構えと対策を講じておくことはけっして無駄ではないでしょう。愛知県が作成している「ツキノワグマ出没対応マニュアル」では、山でツキノワグマに遭遇しないために以下のポイントをあげています。
1. 山へ出かける前に、自然環境課のホームページでツキノワグマの出没情報や出没予想などを確認する。
2. 単独で山に入ることはできるだけ避け、複数で出かける。
3. 熊鈴などの鳴り物またはラジオを携帯し、音を出し続けることでツキノワグマに自分の存在を示す。
4. 風雨の強い日や沢沿いなどでは、ツキノワグマの臭覚・聴覚がじゅうぶん機能しないことがあるのでとくに注意。
5. 突然ツキノワグマと出合わないため、つねに前方に注意を払う。
6. 万一、ツキノワグマのフンや足跡を見つけたら引き返す。
以上のように用心を重ねたにもかかわらず、運悪く出合ってしまったら・・・。
1. まず落ち着いて立ち止まること。
2. 写真を撮る、石を投げる、棒で突つく、大声で叫ぶなど早い動きや大きなアクションは避ける(「攻撃」と判断される)。
3. ツキノワグマが立ち去るのを待つか、距離が離れていれば動きを観察しながら少しずつ後退する。後退する場合は、目を見ながら静かに語りかけるのも有効。
4. 果物などツキノワグマのエサとなるような物は体から遠ざける。
5. ツキノワグマが近づいてくるような場合、荷物をツキノワグマとの間に投げ捨てて注意をそらしながら退避。
6. スプレーでの追い払いは至近距離に近づいてから噴射する必要があるため危険がともなう。
7. 「死んだふり」は効果なし。逆にツキノワグマの攻撃を誘うことがあるため危険。
さて、ツキノワグマは食べ物に対してとても執着的。トレラン中に使ったジェルのパッケージや食べ物のカスを捨てる(誤って落とすのも同罪)ことは、ツキノワグマを餌付けしていることに他なりません。
ゴミの放置はマナーの問題以前に、他者を危険に巻き込む悪質な行為であると認識したほうがよさそうです。
■「ツキノワグマ出没対応マニュアル」はこちら(愛知県環境部自然環境課→自然環境情報→野生動植物→-人とツキノワグマの共生に向けて )からダウンロードできます。
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