
今夏の遭難原因でもっとも多いのは「道迷い」の179人。次いで「滑落」の119人、以下、「転倒」169人、「病気」120人、「疲労」93人、「転落」25人、「悪天候」15人、「野生動物襲撃」2人と続きます。

「道迷い」が多いのは、登山・トレッキングブームにより、読図技術に乏しい初心者が準備不足のまま山に入る機会が増えた影響なのでしょうか。

単独で入山し、ケガなどで身動きできなくなり進退窮まったというケースもあるでしょう。軽いねんざにもかかわらずペースダウンを余儀なくされて下山が遅れ日没を迎えてしまった、なんて話も聞きます。
これらはむしろ身近な里山のほうがあてはまるかもしれません。なぜならこうした(地元民しか知らないような)山は、丸一日歩いて(走って)いても人に会うケースが極端に少ないからです。

いつも走っている近所の低山だからと単独・軽装で走りに出かける→足を滑らせてケガを負い身動きがとれなくなる→運悪くケータイ電波の圏外→誰も通りかからないまま日没→低体温症で絶体絶命・・・これからの季節、そんなケースに陥らない保証はありません。
とくにトレイルランニングはどうしても軽装とならざるを得ないため、上記のように万が一の状態に陥った場合のリスクがつきまといます。
低山でも起こり得るこうしたリスクを回避するため、警察庁では以下の山岳遭難防止対策を呼びかけています。
●登山計画の作成
気象条件、体力、体調、登山の経験等に見合った山を選択し、登山コース、日程、十分な装備、食料等に配意し、余裕のある安全な登山計画を立てる。計画を立てるときは、滑落等の危険箇所を事前に把握する。単独登山はできるだけ避け、信頼できるリーダーを中心とした複数人による登山に努める。
●登山計画書の提出
作成した登山計画書は、家庭や職場、登山口の登山届ポストなどに提出しておく。
●道迷い防止
地図、コンパス等を有効に活用して、常に、自分の位置を確認するよう心掛ける。
●滑落・転落防止
滑りにくい登山靴、ストック等の装備を有効に使用するとともに、気を緩めることなく常に慎重な行動を心掛ける。
●的確な状況判断
視界不良・体調不良時等には、道迷い、滑落等のおそれがあることから、状況を的確に判断して早めに登山を中止するよう努める。
ちなみにタイトルで触れた東海3県の遭難者42名(愛知7人・岐阜21人・三重14人)のうち、残念ながら4名の方が生還できませんでした。
■数値データ、図表は警察庁ホームページ「平成30年夏期における山岳遭難の概況」(警察庁生活安全局地域課)より引用。
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