
レースは通常の大会と同じくスタート地点から一斉スタート。ただしゴール地点は人ぞれぞれ。というのも、号砲から30分後にスタートする「キャッチャーカー」に抜かれた時点でその人の「ゴール」となるからです(ゼッケンに付いたタグを車載のセンサーで読み取ることにより計測)。

こうして次々とランナーが“ゴール”していくなか、最後まで残った最終ランナー(男女1人ずつ)が優勝という趣向。コースはしっかり100km用意されているので、人によっては50km以上のウルトラマラソンになるかも。

キャッチャーカーのスピードは厳格に管理されており、スタートから90分間は時速15kmをキープ。その後、60分間隔で徐々にスピードが上がっていき、スタートから5時間30分後には最終速度の時速35kmに到達。最後のランナー、つまり優勝者を“キャッチ”するまでこのスピードが維持されます。
「自分はいったいどれぐらい走れるんだろう?」という疑問を持たれた方もいるでしょう。そんなときは公式Webサイトの「My Finish Line カリキュレータ」を使えば一目瞭然。

たとえば「フルマラソン分は走りたい!」という場合、カリキュレータによると最低でもキロ4分28秒ペースを維持しなければなりません。タイムに換算すると42kmを3時間8分。かなり速い市民ランナーでなければフルマラソンの距離には到達できないことがわかります。
では「キロ5」ペースで走った場合は何キロ走れるでしょう?答えは27km。同じく「キロ7」ならちょうど10kmでキャッチカーに抜かれる、つまりゴールということに。
Wings for Life World Runのポイントは、こうして目標となる「距離」「ペース」を設定して取り組めること。キャッチカーが迫ってくるとあっては、スリルを感じると同時にかなりのモチベーションが維持できるはずです。
8年前にNIKEが世界開催の「NIKE+ THE HUMAN RACE 10K」を行い話題を集めましたが、今回の「Wings for Life World Run」は世界“同日・同時刻スタート”。

世界各国約34ヵ所で一斉にスタートし、全世界でたった1人(男女各1名)のグローバルチャンピオンには世界一周旅行が与えられます。ちなみに前回の女子優勝者は日本ステージから出ました。
同時刻に一斉スタートということは、夜間開催の国もありえます。日本は20時スタートのナイトランに。会場は滋賀県・琵琶湖の北西岸一帯。今津総合運動公園がスタート会場です。
エントリー料は5,000円。仮に5kmぐらいしか走れなかった場合はコストパフォーマンス的に良いとはいえませんが、エントリー料と同額が脊髄損傷治療の研究機関に寄付されるので納得はできそう。
開催日は5月8日(日)。ちょうどゴールデンウィークの最終日です。お金と日程に余裕がある方は、海外の会場で参戦するのもいいかもしれません。