
それはいきなりでした。あるサラリーマン風の男性が乗る自転車の速度を計測したところ、スピードガンにはなんと40km/hの表示が!「ないないっ」と牛乳を吹きながら思わず画面につっこみを入れてしまいました。これ、あり得ないと思います。
私自身、日常的に自転車に乗っており、サイクルコンピュータで客観的にスピードが分かるようにしていますが、30km/hでもけっこう気合い入れて漕がないと出せません(MTB+街乗りスリックタイヤ)。
いちど河川敷のサイクリングロードでスピードの限界に挑戦したことがあるんですが、瞬間的に43km/hを記録するのがやっとでした。見通しの良い下り坂では50km/hを突破したこともありますが、死の危険を感じました。
ロードバイクやピストレーサーならまだしも、よほどの健脚でない限り40km/hは厳しいと思います。“40km/hで歩道を爆走”という汚名を着せられた男性が乗っていたのはたしかMTBだったような気がします(うろ覚えです)。それも必死こいて飛ばしているわけでもありませんでした。
スピードガン計測の平均速度もこれまたいい加減としか思えない34km/h・・・。画面を見ている限り、みなさんごく普通のママチャリだったような気がします。ちなみに電動アシスト自転車は道路交通法により、24km/h以上になるとアシストが利かなくなるよう設計されています。
正常な感覚の人間なら、とても歩道を40km/hで爆走できないと思います。だって運転者自身が死の恐怖を感じますから。ロケスタッフやディレクターの中に一人でも自転車乗りがいれば、「40km/hはおかしい」とすぐに気づくはず。世論をどの方向に導きたかったのか分かりませんが、せっかくの自転車通勤特集にスピードガン計測・・・余分でした。
この問題については自転車通勤のカリスマ疋田智氏も自身のメルマガの中で、『平均時速34km/hってあなた、そりゃロードバイクを駆る半プロの数字でんがな。』と呆れています。某掲示板でも話題になっていました。やはり「ないない、絶対ない!」とつっこんだのは私だけではなかったようで安心しました。
ただ、自転車(の安全や意義)自体を取り上げる番組が少ない中、めざましテレビは比較的まともかつ積極的に報道している方だと思います。今回はいささか蛇足があったということでしょう。いちおう付け加えておきます。
http://www.jin.ne.jp/shibaspo/supportgoods13.htm
飛び出し自転車がドライバーからどういう風に見えるかなどを映像で見せるなど、かなり良い内容を放送してるだけに残念です。