翌朝、すぐに建物の管理会社に連絡。すると、夕方に修理にきてくれるという。仕事を早めに切り上げ部屋で待つこと数分、作業服のおじさんがやってきた。おじさんは慣れた手つきでエアコンのふたをあけてしばらく観察した後、おもむろに掃除機を取り出してエアコンに突っ込み、ウイーンッとやりだした。「掃除はいいからはやく修理してよ」という私の心の叫びを無視するかのように掃除機をかけている。しばらくするとおじさんは、「もう大丈夫でしょう」といい残して疾風のように立ち去っていった。おじさんはただ掃除機をかけにきただけだ。これで水漏れが直るなんて信じられない。半信半疑でエアコンのスイッチを入れてみる。5分、10分たっても水漏れはなし。念のため一晩中つけっぱなしにしてみたが、朝まで尿漏れ、いや、水漏れはなかった。本当に掃除機だけで直ってしまったのだった。
あとで調べてみると、エアコンの水漏れの原因のほとんどが、水分を屋外に排出する「ドレインチューブ」のゴミ詰まりによるものらしい。ドレインチューブが詰まっているから水がせき止められ、やがて逆流してエアコン本体から溢れ出るというわけ。だからこれを解決するにはチューブ内のゴミを取り除いてやりさえすればいい。ものすごく単純だ。これなら素人にもできる(エアコン用ドレーンホースクリーナーなんて商品も市販されている)。今回の修理代は建物の家主が負担してくれたからいいが、まともに業者さんに頼んでいたらおそらく1万円ぐらいは取られていた可能性がある。水道の蛇口の水漏れみたいに、じつは素人でもすごくカンタンに修理できることって意外と多いのかも。「素人にはムリ」という先入観が、ムダなお金を使う原因になっているのかもしれない。
※エアコンは「電気」製品です。感電する恐れがありますので、やっぱり修理は業者さんに任せましょう。もしも自分で修理してケガしても、当サイトでは一切責任を負えません。